『クライング・ゲーム』親切がサガってなに?【こころのベストテンいただきました】
いまだにネタバレできない名作『クライング・ゲーム』
わたくしとても大好きな映画で、何回も何回もみてます。
1992年制作、監督はニール・ジョーダン、主演はスチーヴン・レイ
では、いつものようにあらすじなどなどはスキップします。
1990年代は、アカデミー賞で注目されるほんとの裏アカデミー作品賞は、脚本賞や脚色賞か?というくらい作品賞をこえる名作がこぞって賞をとっています。
例えば、‘91『ゴースト/ニューヨークの幻』
‘93『クライング・ゲーム』
‘95『パルプ・フィクション』
‘96『ユージュアル・サスペクツ』
すごいでしょ。
受賞について、監督のニール・ジョーダンがインタビューで作品賞はやれないけどしょうがないから脚本賞はやっとけって感じでくれたんじゃない?みたいなこと言うてたけど、んなこたぁないです。
観る方からするとアカデミー賞の良心だと思ってます。
選考する審査員の人たちが、本当は作品賞にしたい!だけど、ちとスケール感が、ちとアカデミー作品賞っぽくないし・・・など悩んだあげく、わたくしの力ではこの賞しかとらせられないけどごめんね、って気持ちが伝わってくる感じがします。
『クライング・ゲーム』はネタバレできないです。
とても大切な作品だし、とにかくこれはいろいろあるしでできないの。
しかし、伝えたいことはあります。
映画のストーリーがーとかキャストがーとか予算がーとかどうでもいい。
好きなんだし!そんなん知らんわって感じです。
じゃあ、『クライング・ゲーム』は?
では、導入の導入だけ少し語ります。
主人公のファーガスはIRA(アイルランド共和軍)の兵士。
ある日、仲間とともにイギリス軍の兵士ジョディーを拉致します。
イギリス政府と交渉をして囚われた仲間を釈放させるためです。
仲間が政府と交渉しているあいだ、監視を担当したファーガスは少しづつジョディーと会話をしていくのです。
張り詰めた関係の中、お互いがお互いを理解しあってゆく。
ストックホルム症候群なのこれ?そういう感じなの?どうなの?って感じですすみます。
この映画の核となるのが「カエルとサソリ」の寓話です。
監禁されているジョディーが見張り役のファーガスに話します。
「人は2つのタイプに分けられるのさ。サソリ型かカエル型か」
その寓話は、
川を渡りたいサソリが、カエルに背中に乗せてくれと頼みます。
サソリ「カエル君、僕を向こう岸へ乗せていってよ」
カエル「え、君を乗せたら僕を刺すだろ?」
サソリ「いあいあ、僕が君を刺したらふたりとも溺れちゃうよ」
カエル「たしかに」
カエルはサソリを乗せて川を渡りはじめます。
半分まで泳いだところで、カエルは急に痛みを感じます。
体に力がはいらずにどんどん沈みはじめるカエルとサソリ。
カエル「あれ?刺した?刺したよね!なんで刺したんだよサソリ君!僕たち溺れちゃうだろ!」
サソリは答えます。
サソリ「しょうがないのさ。これが僕の性(サガ)なのさ」
カエル「なるほど!ってなるかああああああああ!」
ブクブクブク
~END~
ちと違うかもだけど、ほぼこんな感じね。
結局、ジョディーがファーガスに伝えたかったのは
あんたは親切だわ。それが性(サガ)だわ。さからえないのだわ
です。
ここがとてもささりました。
理由なんてない
悪人がどう善人に更生するのか?とか、ジェダイがどう暗黒面に落ちていくのかという物語はあるけれど
ファーガスは経緯とかどうでもよくただの”ナチュラルボーン親切”これが彼の性(サガ)で彼自身。
ジョディーはファーガスをそう見抜くのですが・・・。
その先は興味を持った方はご自身でご確認を。
この作品はほんとうに好きな作品で、ニール・ジョーダン監督の監督作は他のものもみました。
うーん。
このあと制作されたもので有名なのは『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』ですね。
うーん。
なんか、こんな作品を撮るなんてとにかくすごいです!
この映画をみて性(サガ)について考えてみるのもいいと思いますよ。
親切なカエルは親切、そして刺すサソリは刺します。
それは決して変わらない。
性(サガ)だから。
「三つ子の魂百まで」
「ガマガエルは10年経ってもガマガエル」(有吉弘行氏の名言より)です。
ほんとはもっと踏み込んだ記事にしたいのだけど、つらい、ぬう、観て欲しい…。
超合金コレクターだけどDVDコレクターではないドワハルが持ってるということはほんとに好きなのねって思ってください。↓
投稿より数日後の追記:みつけちゃった⇩
わたくしの説明もまんざらではなかったね。